大規模修繕工事の設計では高耐久性の仕様がポイント

次の大規模修繕工事を見据えて
大規模修繕工事では、建物調査・診断の結果にもとづいて、工事項目、工事範囲、工法、仕様などを決定し、設計図書(図面、特記仕様書、設計予算書)を作成します。
ここでのポイントは、「修繕」とするか、「改良」とするか、という部分です。
修繕とは、新築時の機能性能レベルを実用上支障のない状態まで回復させることを指します。
改良とは、読んで字のごとく、新築時の機能性能レベルよりもグレードアップさせ、新しい機能や性能を付加することなどを指します。ちなみに、「改修」という言葉がありますが、これは改良と修繕が混在しているレベルをいいます。
設計においては、この改良をどれだけ取り込むことができるかという点が重要だと考えます。大規模修繕工事の周期が5年延長されると、長期修繕計画表上の全体コストが約3割下がることは、これまでの記事の通りですが、足場を全体にかけて実施する大規模修繕工事の機会に改良を上手に取り込むことで、次回の大規模修繕工事の時期を延ばすことにつながるのです。
たとえば、塗装・防水の耐久性・耐候性・耐汚染性などについてグレードアップを図ることで、次回の大規模修繕工事の目標を15~20年目とする計画にできます。
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- 著者/須藤桂一
株式会社シーアイピー 代表取締役社長
ゼネコン勤務や、塗装工事会社・リフォーム会社の2代目社長として大規模修繕工事を受注している最中、様々なマンション管理組合の問題に直面し、1999年にマンション管理組合専門のコンサルタント会社であるシーアイピーを設立した。
これまで約33,000戸のマンション管理組合の相談を受け、問題解決を図る。
数多くのメディアに出演、書籍の出版や監修も行っている。詳細はこちらまで。