マンション総会に「重要案件」を上程する際の正しい手順
プロセス(過程)の重要性
総会に上程した重要案件の審議に、紛糾するケースがあります。
「長い時間をかけて、理事会や専門委員会で議論をしてきたのに」「区分所有者にとって、悪い話は1つもなく全員にとって良い話であるはずなのに」「区分所有者の利益だけを考えて、自分たちの時間を犠牲にして取り組んできたのに」という理事会の思いは届きません。
ではなぜ、反対されてしまうのでしょうか。理由は、心理的な理由が関係していることが多いようです。
何かしらの要因で、すんなり話が聞けなくなっている状態です。
「議案そのものには賛成だけど、進め方が気に入らない」という本質とは離れた感情論で反対に1票を投じる例も少なくありません。
その様な事態に陥らないためにも、重要事項であればあるほど、理事会や専門委員会は十分に区分所有者への情報発信(広報)が大切になってきます。
議論を重ねてきた理事会や専門委員会にとっては腑に落ちない話ですが、十分に広報がいきわたらないままに事を進めると、区分所有者側にすれば「突然、総会議案書が届き、2週間後の総会でいきなり決議あれるのでは、急すぎて考える時間もない」「こんなに急ぐなんて、何か裏があるのでは?」と痛くない腹を探られたり、疑心暗鬼になる人も現れるかもしれません。
具体的には、広報誌を発行したり、説明会を数回行うなどのステップを踏む、このプロセス(過程)が重要です。
複雑な事案や重要な事案であればあるほど、一人でも多くの区分所所有者にまで届くような、丁寧で理解しやすい説明を行えることが、スムーズな進行のポイントになります。
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- 著者/須藤桂一
株式会社シーアイピー 代表取締役社長
ゼネコン勤務や、塗装工事会社・リフォーム会社の2代目社長として大規模修繕工事を受注している最中、様々なマンション管理組合の問題に直面し、1999年にマンション管理組合専門のコンサルタント会社であるシーアイピーを設立した。
これまで約33,000戸のマンション管理組合の相談を受け、問題解決を図る。
数多くのメディアに出演、書籍の出版や監修も行っている。詳細はこちらまで。