理事長の自己満足
自ら動きすぎる危険性
管理会社に対して価格交渉をガシガシ行い、価格を下げた実績を残す理事長がいました。
その方は「自分が理事長の時に、管理会社と直談判をして●●●万円の削減に成功した」と自慢げに語られるわけですが・・・その反動が次期の理事を苦しめている…とは夢にも思っていないのでしょう。
実は、金額だけで値下げを行うと、清掃の品質が目に見えて下がり、清掃が行き届いていない結果となることがとても多いのです。
管理会社からの値下げ提案は、実に巧妙で、素人である理事会にはその仕組みが見えませんが、実は大きな落とし穴のあることが非常に多いので警鐘を鳴らしています。
ほとんどの場合「仕様は変えません」と言いながら、管理会社はその削減分を自分たちで対処することなく下請け業者に押し付けます。削減を迫られれば下請け業者は拒否できず、その補てんをするために必然的に定期清掃の人数を減らすなどの調整を行い、管理組合からは見えないところで品質が下がってしまうのです。
つまり、単純な金額交渉だけで行うコスト削減は、将来的な資産価値を下げてしまう要因となり得ると言う事です。
品質を無視した直談判による値下げは自慢になど成り得ない、隠れたリスクを増長させる危険な行為になる事も多いので注意が必要です。
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- 著者/須藤桂一
株式会社シーアイピー 代表取締役社長
ゼネコン勤務や、塗装工事会社・リフォーム会社の2代目社長として大規模修繕工事を受注している最中、様々なマンション管理組合の問題に直面し、1999年にマンション管理組合専門のコンサルタント会社であるシーアイピーを設立した。
これまで約33,000戸のマンション管理組合の相談を受け、問題解決を図る。
数多くのメディアに出演、書籍の出版や監修も行っている。詳細はこちらまで。