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マンション管理業界のホンネ

2017/01/30
マンション管理

玉虫色の仕様書(委託契約書)

ズサンで手抜きができる業務仕様書とは

デベロッパー系の管理会社では、価格競争が無く、受注したい金額で管理委託費用が決まっています。これに対する認識は区分所有者の方々の間でも、最近では広がりつつあるように感じます。しかし、実は同様に、管理業務の品質についても、管理会社が提供したいものを、そのままマンション管理組合が買わされているケースがほとんどで、これについての認識はまだ薄いという印象です。

先日もとあるマンション管理組合から「独自にデベ系管理会社から、独立系管理会社に変更したら、結果として管理委託費用は大きく節約できたものの、その品質について大きな問題が出て困っている・・・」といった相談がありました。

概要としては、価格の部分でデベ系管理会社と独立系管理会社の一騎打ちになり、安かろう悪かろうになっては本末転倒であることを伝えると、両社とも「もちろん現在の仕様のまま品質は落とさない提案です」と話していたので安心していたそうです。

が、結果として品質はがた落ち。理由は簡単です。肝心要の「仕様書」がチープでズサンなものでした。

具体的には、定期清掃についての記述は「年6回」と回数しか書かれていません。どこをどの程度清掃するか?なんてことは何一つ決められていないのです。

定期清掃は素人から見ると廊下やホールなどポリッシャーという機会をかけていると定期清掃に見えます。本来、日常清掃で出来ないところをしっかりと定期清掃できれいにしてもらいたいものの、指定されていなければスルーされてしまう。つまり定期清掃は10人でやっても5人でやっても、3人でやっても1回は1回とカウントされてしまうために、表面上は義務を果たしている事となります。が、実際は簡単に手抜きができるという事になるのです。

これは、日常清掃や設備保守、植栽剪定などあらゆるところで適当に手抜きができる、いわゆる「玉虫色」の仕様書となっている事に原因があります。仕様書の中で一番ひどいと感じる部分は、管理会社のフロント担当者(理事会や総会に出てくる管理会社の社員)の業務内容です。一応理事会や総会での対応方法などは盛り込んであるものの、通読してみると「理事会・総会の補助」としか書かれていないことに気が付きます。つまり議事録をつけてくれるのか?という具体的な内容なんてどこにも書かれていないのです。これではやってもやらなくても業務怠慢にはなりません。

問題なのは、この「玉虫色の仕様書」について業務内容の見直しをせずに、単なる価格競争だけを働かせると品質は落ちて当然と気が付いていない事です。同業者のコンサルタントとでさえも、この重要な部分をまるっきり無視している事が多く見受けられるのは、憂い多き事実です。

更に、この構図は理事会から直接価格交渉を受けたり、コンサルタントを入れるという動きを察知した時に見受けられる「管理会社の値引き対応」にも相通じるものだと認識して頂きたいと思います。

管理会社は値引きをした分、当然ながら下請けをたたきます。下請けはそれを拒めません。でも下請けさんも管理会社もプロなので、仕様書の盲点を知っています。値段を下げた分、今まで5人でやってきた定期清掃の人数を減らせばいいだけということを十分の承知しているのです。管理会社はもとより、下請けである専門業者もそれなりの対応となるため、この値引きで一番割を食うのは誰なのか…。面倒なく値引きを手にして得をしたと喜んでいる素人集団のマンション管理組合そのものという悲しい現実があるのです。

しつこいようですが、ポイントは『競争原理』以上に『品質向上』がとっても重要です。現在どのマンション管理組合でも使われている仕様書では、サプライヤーである管理会社や保守会社に都合のいい、いわば、できの悪い『玉虫色』の仕様書なのです。そこで、まず管理会社や保守会社のやるべき業務を、しっかりと決めて、誰が行っても一定のレベルで業務ができ、かつそのレベルの底上げをしておく必要があります。

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